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熊本 (1) 熊本城

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前稿・小倉城に続き九州のお城シリーズを。
「熊本城」の思い出。… 訪れたのは、あの大地震でお城が大きく破壊された僅か4か月前のことだった。
「う〰ん、流石は築城の名人・加藤清正!」と唸った。
不落の城ともいわれ、西南戦争の際の薩摩軍の猛攻にも耐え落城することはなかった。あの西郷隆盛をして「ワシは官軍に負けたのではない。清正公に負けたのだ。」と言わしめた名城である、と事前にインプットしてはいたが、その雄姿を目前にしてたちまち納得したものであった。

カンレキ迎えた歳にして人生初九州。熊本空港に上陸後、早速熊本城へ向かった。
大阪城、名古屋城と並び、日本三名城と呼ばれる熊本城。いや、素晴らしかったなあ。これまで見た日本のお城の中では、最大級の感銘を受けた。これぞホンモノ! 予定の一時間を大幅に超え、三時間半をこの城で過ごすことになった。時間の制限がなければいつまでも此処に居たかった。(お陰で予定していた水前寺公園などの市内観光は全てなくなった。)
壮大なスケール、大小の天守閣や櫓、城門などの建物そのもの、またそれらの配置の妙、美しくも難攻不落な石垣・城壁など、大局的にもディテールにも実に見所が多い。城内部の壁画、天井画なども絢爛豪華、美術的な価値も高い。敵の猛攻、長期戦に備えて掘った120余りの井戸など、幾多の実戦経験を持った加藤清正の知恵の絞りようが散見され感心至極、品格さえ漂うお城であった。
加藤清正、言わずと知れた豊臣配下の有力武将。秀吉に従って各地を転戦して武功をあげた。
「文治派」と言われた石田三成とは対照的な「武断派」、言ってみればブルーカラーの代表格で大河ドラマでも粗野なイメージが強調されがちのキャラではあるが、なかなかどうして随分戦略戦術に長けた緻密な城造りをされている。旧熊本藩での治水や農業振興にも腕をふるい、現在でも「せいしょこ(清正公)さん」として地元の人々の中で愛されている存在であると。いいなあ、こういうの。粗野・無骨にして緻密⁇? 二律背反にも思える興味深き人物、もう少し知ってみたい。昨日、海音寺潮五郎の『加藤清正』(文春文庫)を買って来た。

お城復旧への努力、NHKのドキュメンタリー番組でも見たことがある。
パソコンを駆使して崩れた石垣の石のひとつひとつが何処にあったかを認識、無数の石に其々番号を振って元どおりの復旧を手掛ける地道で忍耐強いプロセスに頭が下がった。城下町、お城の持つ求心力は凄いとつくづく感じた。熊本市民の方々を羨ましく思う。コロナ禍が下火になれば早々に再訪したい地である。

by ptaro2009q2 | 2020-10-15 10:50 | 熊本

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by ptaro2009q2