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皇居周辺 (2) 北の丸公園 - 2 国立近代美術館工芸館

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毎週水曜日は概ね「読書・DVD 鑑賞デー」にして本や映画・ドラマに浸る日にしている。
現役第一線を退き、自分の時間が格段に増えた状況で、水曜日は特にこれまで積読状態だった古い本の畑を耕し、また過去の名作や話題作と言われる映画を出来るだけ見るように努めている。何だか過去30年40年、忙しさにかまけて忘れて来た宝物、全く意識が及ばなかった分野の貴重品をひとつひとつ拾っては過去を想い現在を照らし出す時間は悪くない。
昨日は、午前中何度か観ていたDVD、小林聡美主演の『かもめ食堂』『めがね』を続けて観てまったりとした後に近所の図書館に行き何冊かを借りて来た。
一冊、肩の凝らない写真集も。ー『日本の最も美しい赤レンガの名建築』(歴史的建物研究会著 エクスナレッジ社)
近代化や権威を象徴する駅舎、庁舎、学校、軍事施設、橋、水門など、今も威厳に満ちた佇まいを誇る75の建築物を厳選し一冊に収めた写真集、馴染みの建物も少なからず、懐かしい気分でページをめくった。
最も馴染みのある赤レンガ建物は写真の「国立近代美術館工芸館」だ。
元々は近衛師団司令部庁舎で明治43年竣工の軍事施設であったが、現在では工芸品やデザイン作品などを展示する美術館となっている。
嘗て勤務先のオフィスが四谷や麹町にあった数年は、通勤時オフィスの最寄り駅ではなくかなり手前の地下鉄・竹橋駅で下車し、30分を歩く早朝にしていたが、それも何を隠そう、この赤レンガ館を見るためだったと言って過言ではない。
竹橋から緩い坂道を進み、北の丸公園の先にこの赤レンガが視界に入ると、遠目だが思わずその端正な佇まいに背筋がピンとしたものだ。
目には見えないが嘗ての軍事施設だった頃の鋭い威光が残っているかのようである。身が引き締まる。
同時に現在の芸術の殿堂としての美的センスや優しさの空気もじわじわと感じられたものだった。
緊張と弛緩というか、厳しさと優しさを同時に内包する建物、仕事前のストレス、モヤモヤも忘れさせてくれる、体に沁み込んだ忘れ得ぬ建物である。



by ptaro2009q2 | 2019-10-17 10:15 | 東京

東京、日本、世界の街歩き


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