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群馬 桐生 (4) 一の湯 - 2

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遂にこの日を迎えることになった…。
夏の青春18きっぷの旅、第一回は毎年吾妻線・川原湯温泉駅へ行き、午後は新前橋まで折り返し、栃木・宇都宮方面へ向かう両毛線で桐生へ。
奈良時代から絹織物で栄え、「西の西陣、東の桐生」と言われた古い町・桐生、駅からの繁華街も半ばシャッター街化しており、車の通りはほどほどだが、道行く人影は極めて少ない哀しみの街だ。
昭和初期の蔵造りの町屋やノコギリ屋根の織物工場が残る街並み、重要伝統的建造物群保存地区にも選ばれているが、その中心となる本町通りを進む。
毎夏この通りを歩いているが歩を進めるうちに妙に高まる緊張感は「一の湯」の存在ゆえ。
大正時代の創業、100年を超える歴史持つ日本最古級の銭湯であるが、施設の老朽化、いやそれ以上に経営者のご夫婦のかなりの老齢化から、その存続を強く心配していた。
昨年来た時にはかなり心配、廃業したのではという虫の知らせを覚えたのだが、幸い杞憂に終わっていた。
老ご夫婦の姿は番台にはなかったものの、縁者の方なのだろうかひと回り若いオバサンが快活に番台を務められていた。後継者問題も何とかなって当面の銭湯存続に希望の灯りがともったとの印象を持ちながら銭湯で汗を流したものだった。
さて今回、そういった楽観を持ちながら訪れた一の湯、何と暖簾がないではないか。
単に休みの日かとも思い直したが、周囲をよく見るとお湯の効用を書いた看板の文字も消されている。廃業を知らせる決定的な事実だ。
あってはならぬ現実を否定しようと周囲をウロウロして営業している証を探したが、どうやら恐れていたことが現実になったことを悟る。将棋でいえば、投了だ。
100余年の歴史は遂に終わりを遂げていた。
10余年この銭湯を楽しみに毎年訪れていた桐生への旅、次回以降のモーチベーションをなくし愛した銭湯に喪失感を抱く。
その晩、宿泊した伊勢崎のホテルで、色々調べてみた。
銭湯のご主人が亡くなり、一の湯は今年初頭に廃業になった旨の書き込みがあった。
合掌。それにしても残念至極、重伝地区でもシンボリックな存在だった一の湯を公的私的、何とか存続させる手はなかったのであろうか。
そう言えば本町の通りにあったセブンイレブンの店舗も消えていたことを思い出す。
売り上げ動向・利に敏いセブンが撤退したことの意味、桐生の未来が損なわれないことをも祈って止まない。

by ptaro2009q2 | 2019-09-10 11:12 | 群馬