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群馬 川原湯温泉 (4) 吾妻渓谷・八ッ場ダム

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8月中旬、夏の青春18きっぷの旅。
この10年強、一回目は群馬県の渋川駅から西へ進む吾妻線と決めている。
ダムの下に沈む温泉町がある「川原湯温泉駅」が旅の第一のお目当て。
長年定点観測を行って来たが、色々と魂を揺さぶられた旅になった。
この川原湯温泉街、昭和27年にダム建設計画が発表され、ダムの下に沈む町となることとなる。
反対運動等で建設も進まずの状態が50年以上続き、民主党政権発足時にはダム建設を撤回、という話にもなった。前に進むのか、このままなのか、長きに渡る住民や関係者のフラストレーションが半端なものではなかったことは容易に想像がつく。
その後自民党政権が復活、ダム建設に向け大きく舵がきられ、4-5年前には完全に旧温泉街は廃墟となり、新しい地区に移転が進む様子を見ることとなった。
毎年訪れるたびに廃墟の度合いが進み人の様子も見られなくなったことで「時計が止まった街」、というような不思議な感覚、切ない感覚を体感した記憶も新しい。
今回は、遂にダム完成も間近の状況を見る。
旧駅やこれまで周囲歩いてきた思い出の各所はホントにダムの底に沈んでしまうのだなあとの感傷もなくはなかったが、それ以上にあまりの寒々しい自然破壊の風景にココロも荒んでしまった。
写真は、全長500mほどの「八ッ場大橋」中央からダムをのぞむ。
渓谷を跨ぐ大きな橋から見る谷底の景色は壮観であるが、ほぼ完成されたダムの姿に歴史のページが新たな章を迎えることを知る。
谷底から約80m、大橋中央にはバンジージャンプ(1回2万円だと?)の小屋が設けられていたが、何故かとても虚しい。
これも恒例、移設された源頼朝の隠し湯として著名な「王湯」で汗を流すも、複雑な思いだけはお湯では流しきれなかったもんだった。青春きっぷの旅、時にホロ苦し。



by ptaro2009q2 | 2019-09-08 09:23 | 群馬

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