新宿駅のラッシュアワーの喧騒がそのまま瞬間移動したような高尾山山頂はスルーして奥高尾の稜線歩きに入ったところ。
此の辺からは急に人数は減り山歩きファンが行き交う尾根づたいの縦走になるのであるが、途中でふと見つけたこの光景に 「いいね!」を一票!
下り坂の途中 遥か先の峰々のうえに富士の頂きが見えるところ、木陰に腰掛け読書に耽るご婦人の姿に打たれた。
せかせかと歩きながら少しづつ現実の煩悩も洗い流し、あれこれ今月はどんな本を読もうかなどと考え始めていたところだったが、山歩きのメッカでこのように日本一の富士の雄姿を眼前にしながら悠然と静かに書物に眼を落とすご婦人の気持ちの豊かさが素晴らしい。
富士の前の大空間を所有しながら、富士なんか眼中にないわよ、という感じもこのうえなき贅沢というように解釈された。
どんな本を読まれておるのか、お声を掛けたかったところであったが、野暮なことはやめておこう。